仁成航路 第19号 平成18年7月
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 今回はお金にまつわる話をしたいと思います。昨年末からライブドアの粉飾決算や村上ファンドによるインサイダー取り引きなど様々な事件が頻発しています。彼らのある種の才能には敬意を表しますが、全く無関係の私には何ら尊敬の念は湧きません。「企業とは顧客に満足を与えることが使命であるが、同時に社会に貢献出来るものでなくてはならない」とある経済人が言っていました。現代の日本には拝金主義が蔓延しているようです。
皆様も目にされたかも知れませんが、先日面白い話が新聞に載っていました。明治時代の話ですが、著名な経済学の教授に学生が「楽してお金が儲かる方法はないか」と質問しました。その教授は次のように答えたそうです。「猿の毛を抜けば良い」質問した学生は、キョトンとしていましたが、答えは英語です。 “Monkey ”から “k ”をぬくと “Money ”つまりお金になると言うことです。とんちのような話ですが、この世の中で楽してお金を儲けるのは非現実的なことであると言いたいのでしょう。

一方、このようなマネーゲームの権化とも言うべきアメリカ社会では、無償のボランティア活動が盛んで社会保障制度を支える大きな力となっています。統計によると全人口の半分(9000万人)が非営利組織(NPO)で「無給のスタッフ」として働き、「第二の仕事」として週平均5時間の活動を行っているそうです。高齢社会に突入した日本では従来の介護保険制度が崩壊し、見直しが行われています。借金地獄の日本で、ますます増加する要介護老人を支えるには介護保険制度の見直し程度では無理があるのではないでしょうか。国の制度に頼ることなく、一人一人がお互いを支え合う意識を持つ必要があります。学校教育に於いても、ボランティア活動や社会活動に参加する意識を高める教育をすべきではないかと思います。アメリカの良い所をもっと日本国民が学ぶべきであると考える今日この頃です。
院 長  依藤 良一
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