掲載内容


理事長ごあいさつ

イラスト01

先ず初めに、第二仁成クリニックで機械トラブルから患者様にご迷惑をかけたことお詫びいたします。機械の更新を考えていた矢先でしたので、早急に対応してまいります。
さて、2期4年に亘って努めてきました兵庫県透析医会会長職をもう1期延長することになりました。皆様にとって透析医会の関わりは、ピンと来ないかも知れませんが、災害時の対応や感染対策に対する県下施設への広報、その他透析従事者への教育など重要な仕事を行っています。また、透析医療において重要な課題(通院困難な高齢透析患者の難民化、保険適応、腎移植など)にも取り組んでいます。現在、会員数は263名、会員施設は兵庫医大、神戸大学や透析設備を有する全ての県立、市立の公立病院を含め、県下179施設が入会しています。
話は変わりますが、仁成会の両施設では毎週血液検査を行っています。他施設では2週間に一度の血液検査がほとんどです。これは保険上、"マルメ"と言って"透析患者さんの体調管理を維持するために必要な検査をしてください"と厚生労働省から一定額の点数を配分されています。ですから検査が少なかろうと多かろうと同じ点数しか貰えません。検査が少なければ儲かる仕組みになっています。我々は、より沢山の情報を得ることがより患者さんのメリットに繋がると考えています。特にカリウムとリンは一週間ごとでも大きく変動しています。カリウムが危険な値に上昇しているのに、2週間気づかなければ致命的な結果になることがあります。検査のない週末に救急車で運ばれないため、行っていることです。
最近の研究によりますと、リンの上昇による弊害がいろいろ判って来ました。血液の中でリン酸カルシウムを作って肺や心臓、筋肉、血管などに異所性石灰化を起こす事、副甲状腺ホルモンの分泌を刺激して骨を弱くすること、痒みの原因になる事などが従来から言われてきましたが、近年老化を促進する物質が判明しリンが大きな役割を演じていることが分かりました。リンは血管の内側に石灰化を起こすだけではなく、血管層の中にも石灰化を起こし動脈硬化の原因にもなります。日常みなさんが無意識に摂られている外食や即席めん、加工食品には食品添加物が多く利用されており、吸収率の高いリンが多く含まれているので注意してください。カリウムやリンの制限は、月に一度来られている栄養士さんから詳しく教えていただけますが、特にリンのコントロールが生命予後に大きく関係していることを覚えておいてください。

理事長   依藤 良一

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