ナビゲーション


健康寿命を延ばす生活習慣と運動

「健康寿命」という言葉はご存知でしょうか?健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで自立した日常生活を送ることのできる生存期間のことを言います。

健康寿命を阻害する要因には

イラスト01
  1. 心筋梗塞や脳卒中、癌といった私たちの内臓や血管の機能が衰えていくというもの。(背景には、メタボリックシンドロームや肥満がある)
  2. 骨や関節、軟骨、椎間板、筋肉など体を動かすために働く運動器の障害により、立つ・歩くという移動機能が低下した状態。(ロコモティブシンドローム)
  3. 認知症、うつなどの心の問題

メタボ、ロコモ、そしてココロ(心)の3つがすべてバランスよく健康でないと、 健康寿命を維持することができないということが分かってきました。
このメタボ、ロコモ、ココロは、身体活動や運動不足、過食、偏食、不規則な食生活といった栄養の問題、休養の不足といったようなものが影響し合い、健康寿命を阻害する要因になります。認知症も身体活動、運動の不足が関わっているということが分かってきたところです。健康寿命を伸ばすためには、生活習慣の見直しが必要です。食生活・睡眠・運動についてご自分の普段の生活を振り返ってみましょう。

健康寿命を延ばすための生活習慣には

適度な運動(テクテク)、三度の規則正しい食事(カミカミ)、心の健康(ニコニコ)、五感を使った感動(ドキドキ・ワクワク)が大切と言われています。

テクテク

イラスト02

(健康づくりの適度な運動、テクテク歩きましょう!)

生活の中に運動を

体への負担が比較的少なく、手軽に始められるウォーキングがお勧めです。気長に、気楽に「テクテク」歩くことから始めましょう。慣れてきたら、1日30分を目標に。息が軽く弾む程度のスピードで。楽しく運動を長続きさせましょう。
運動を実施する際は、特に寒い時間帯や暑い時間帯、食事の直後を避けましょう。

カミカミ

イラスト03

(和食パワーだ、カミカミしましょう!)

食べ方の基本
  • バランス良い食事を、良く噛んでゆっくり食べましょう。
  • 食事時間は最低でも20分。1口20回噛んで、食べましょう。噛むことで脳への刺激にもなると言われています。
  • 朝食を摂り、脳にブドウ糖補給、生体リズムを調整し排便を促進します。
  • 大食いせず腹八分目にしましょう。

(よく噛んで食べると唾液がたくさん分泌されます。唾液には老化の予防に役立つパロチンというホルモンが含まれています。)

ニコニコ

イラスト04

(笑いの健康効果、ニコニコしましょう!)

ストレスのない笑いの多い生活は、免疫力のアップ、自律神経の安定、ストレス解消と癒し効果、リンパ球の活性化による癌の予防効果、ホルモンのバランスを改善、脳波でアルファ波が多く現れて集中力がアップ、腹筋や横隔膜が鍛えられ便通も改善などなど数多くの健康効果が証明されています。

イラスト05

笑うと腹式呼吸になり、大量の酸素を消費します。ストレスを受けると酸素不足になり、脳の働きが低下してしまいます。
笑うことにより、大量の酸素が取り込まれ細胞が活発化して働きが上昇します。
お笑い番組や、知人との雑談などで沢山笑ってストレス解消しましょう!
悩んだ時には一人で抱え込まず相談をしましょう。

ドキドキ

イラスト06

(五感を使って感動を、ドキドキ・ワクワクしましょう!)

「してみたいことがあり、行ってみたい所があり、そして会いたい人がいる」「時間を忘れてついつい没頭してしまうことがある」
この様な生活を送ることは脳、特に前頭葉にとって重要な刺激であり、認知症予防になると考えられています。

「テクテク、カミカミ、ニコニコ、ドキドキ」これら4つの言葉を思い出し、出来るところから実践してみましょう。

簡単な運動で下肢筋力を強化しロコモ予防

運動習慣のある人とない人では、運動器の衰えに差がでてきます。高齢者だけではなく、運動不足や食生活の乱れが原因で骨や関節がもろくなり、靴下やズボンなどを履くときに踏ん張ることができなくなってバランスをとれない症状がロコモ予備軍として若年者にも広まっています。
筋肉の衰えを防ぐには適度な運動が大切です。骨や筋肉は40歳頃から衰え始め、50歳を過ぎた頃から急激に低下します。そのため特に40歳を過ぎたらロコモ対策を始める必要があります。

イラスト07
イラスト08

上の7つの項目に思い当たることはありませんか?チェツクしてみましょう。
運動器は、自分の意志で動かすことができる唯一の器官。そして骨や筋肉は、いくつになっても鍛えることができます。「運動器の寿命は自分で延ばす」という意識をもち、今日からロコモ対策を始めましょう。

ロコモの予防・改善の運動の基本は

  1. 足腰の筋力強化
  2. バランス力の強化
  3. 膝、腰に過剰の負荷にならない
ことの3点です。家庭でもできる方法として、「開眼片脚立ち」と「スクワット」をすすめています。

今日から始めてみよう ロコモーショントレーニング(ロコトレ)

■開眼片足立ち

※転倒しないように何かつかまるものがある場所で行いましょう
左右各1分間ずつ、1日3回程度。

支えが必要のない人の場合
イラスト09
  • 片方の脚で立つ。
  • 上げる脚は床につかない程度に保つ。
    脚は、前方に挙げても良い
支えが必要な人の場合
イラスト10
  • 机に両手をついて行う。
  • 慣れてきたら支えを指だけにし、支えにたよらないようにする。

■スクワット

※安全のために、いすかソファーの前で行いましょう。
深呼吸するペースで5~6回。
1日3回程度。
※正しいスクワットのポイント
膝が前に出るスクワットは膝の痛みが起こりやすい。イスに座るときのように腰を後ろにひくのが正しい方法です。

支えが必要ない人の場合
イラスト11
  • 脚をかかとから30度くらい外に開き椅子に腰かけるようにお尻をゆっくりおろす。
  • 膝がつま先より前に出ないように。膝はつま先の方向に向けたまま曲げ伸ばしする。
支えが必要な人の場合
イラスト12

ご自分の状態に合わせて(A)か、より負担のかからない(B)のどちらかを選びましょう。
(A)机に手をついて立ち上がる動作を繰り返す。
(B)机に手をついて腰を浮かす動作を繰り返す。

そのほか、こんな運動もおすすめです

ストレッチ・ラジオ体操・深呼吸

イラスト13

じっとしている時間をなるべく減らしましょう。座りっぱなし、横になりっぱなしでなく、家事や庭いじり、仲間や家族と買い物やお出かけなどで、1日に40分ほどからだを動かしましょう。
運動が健やかに生きるためにとても大切です。

イラスト14

参考資料
『健康寿命を延ばすには』
(特定非営利活動法人日本成人病予防協会専務理事安村禮子)

このページの先頭へ