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仁成会 定期勉強会

5月13日宝塚ホテル勉強会においての講演会の内容をご紹介します。 株式会社SNOWPLUM教育事業部 毛利宗玄先生による『介護保険制度の基礎知識』の講演でした。内容をまとめましたのでご参考になればとおもい記載いたしました。

「介護保険について」

現在、既に高齢化社会と言われていますが、2025年には超高齢化社会になると予測されています。何故なら、第一次ベビーブームに産まれた団塊の世代が、75歳以上になるからです。すなわち、要介護者、要支援者の数が今よりも多くなります。その際、必要となるのが介護保険制度です。

制定され、介護を必要とする高齢者の治療や介護等にかかる負担を社会全体で支援するための保険制度です。
次は、支援内容・利用者の規定について説明します。
介護保険は、医療保険とは違い認定が必要となります。その為、市町村の窓口に手続き申請した後、認定調査が一次、二次とあります。
一次調査は、認定調査員による調査です。食事、買い物、着替えトイレ等の行為が一人で可能かどうか、質疑応答から点数化されます。
二次調査は、主治医の意見書を元に判断されます。申請が通ると、要支援ごとに段階分けされます。
介護保険は、段階の区分によって利用可能なものが異なります。
例えば要支援1の場合「洗濯物は出来る」という認定になり「洗濯物の代行」という支援は受けられません。
以上色々なことを踏まえて、支援をどのように利用するかを決めていきます。
支援内容は大きく三つに分類されます。

  • 在宅:訪問介護やヘルパー、デイサービスを利用
  • 施設:特別介護老人ホームなどの入居サービス
  • 短期型:普段は親族が支援しているが、仕事の都合により支援できない期間利用することがショートステイ

介護者、支援者のライフスタイルに合った内容を考え、その要望と意見をケアマネジャーにしっかりと伝えて保険利用を進めていくことが理想です。

「認知症について」

認知症とは、一般的な物忘れと違い、病的な物忘れを起こす状態を指します。

例えば、晩御飯の内容を忘れている場合、これは一般的な物忘れです。晩御飯を食べたという事実を忘れている場合、これは病的な物忘れになります。
家族に認知症の疑いが出た時、病状について理解し、迅速な対応を行う事が大切になっていきます。
特に家族の場合、病的な物忘れに対して、正面から否定をしてしまいがちです。

この様な返し方は、否定されたという事実だけが認知症患者の記憶に残ります。
その様な積み重ねが、認知症患者の暴力や暴言に繋がってしまいます。
まず、否定をするのではなく肯定の言葉をかけるのが大切です。食事を摂ったならば、「○○美味しかったですね」などの言葉をかけ、記憶を戻す手伝いをする事が大切です。それが、認知症患者の暴力行動、また認知症の進行を抑える事にも繋がります。
認知症になってしまったとしても、好きなものや色など、その人らしさは残っています。相手を尊重し対話を行うことで、記憶を呼び起こすきっかけを与えられます。

認知症や介護について、それを題材とした映画を鑑賞することも理解を深める手段のひとつです。おすすめの作品を紹介しますので参考になさってください。

  • 「はないちもんめ」(1989年)

    祖父が認知症となった家族を題材とした作品です。歳をとることの現実と、介護保険の必要性を再認識させられます。

  • 「ケアニン」(2017年)

    介護職に就いた青年が、仕事を通して成長していく作品です。介護士のリアルな姿を描いています。

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