仁成航路 第13号 平成17年1月

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平成17年、明けましておめでとうございます。
天災に明け暮れた昨年とは違い、今年一年穏やかな良い年であってほしいものです。

平成3年開業以来、早いもので15年目を迎えようとしています。途中5年目に阪神淡路大震災が発生し、震災10年目の年にも当たります。
このような節目の年に日本の経済情勢やその影響を受ける医療制度・介護保険制度の現状や予想される改革に対し、しっかりと分析し対策を考える事が必要であると思います。平成17年度には大きな医療改正が行われる予定はありませんが、新聞紙面で見られる自由診療が一部採用される予定です。
これは将来の大規模自由化への布石と見られています。自由診療とは一体何なのでしょうか? 

今回の自由化では、保険薬剤と自費薬剤の併用が可能になりました。また、厚生労働省が認可していない新薬や海外では適応される薬剤、また特殊な治療法を行う事が可能になるでしょう。
透析に関しては、週3回、月14回以上の透析は現在認められていませんが、将来もっと体調を良くしたいという希望で短時間・頻回透析をすることが自費で出来るかもしれません。

いずれにせよ国は、現状の総額医療費32兆円を今後も維持し、増加分は自費で賄うという方針です。今後の高齢化を考えると、今日まで行われていた保険診療はどんどん減少し、自費診療分が増えていくことが予想されます。また、現行の制度が早くも破綻しつつある介護保険制度は、今年大きく手が加えられようとしています。

介護支援と生活支援を明確に区分し、生活支援においては自立を強く促して行く方向になります。
現在、介護保険を利用されている方は、ケアマネージャーと充分話し合いをもたれたら良いと思います。また、クリニックが行っている送迎バスに関しても制度改革に伴って介護タクシーに移行いたします。当院における送迎バスは、歩行障害や視力障害を有し自力では通院困難でご家族の協力の得られない方を対象としてクリニックの負担で行ってきましたが、対象となる患者数の増加が著しく現行の方法では対応できなくなってきたこと、および他の介護タクシーを利用されている方との不公平感が生じてきたこと、さらに今後も対象者が増えること等の理由によりクリニックの送迎バスを廃止し介護タクシーに移行していただくことといたしました。
新たに自己負担が生じる事は大変心苦しいことではありますが、ご理解を賜りますようお願い致します。

冒頭にも書きましたが、今年は阪神大震災から10年目に当たります。昨年は水害をはじめ、新潟中越地震、スマトラ沖大地震と大きな災害が多発し防災に対する意識の高まりを感じますが、当院でも改めて対策を立て直したいと考えています。
開業15年目に至り、これからも皆様に安心して受診していただける施設である様、努力を重ねてまいります。
院 長  依藤 良一