仁成航路

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新年明けましておめでとうございます。
年初の挨拶にあたり、昨年の仁成航路の1月号を読み返しましたが、一昨年暮れに起こったスマトラ沖大地震に触れ平成17年が平穏な一年であることを願っておりました。ところが、平成16年の天災に代わり平成17年は、JR西日本の福知山線の大事故や小児誘拐殺人といった人災が多く起こりました。本当に嫌なことが毎年続くものです。冒頭から暗い話しで始まりましたが、平成18年こそは良い年になって欲しいと願います。人の思考とは面白いもので、天災・人災の報道がなされると暗い気持ちになります。でも、自分自身にとってみればどうでしょうか?自分や家族・知り合いにその様な災害に遭った人がいなくて、幸運だったと思いませんか。神に感謝です。


『気』の持ち方次第で幸せの感じ方が異なる事に関して有名な話があります。工事現場で三人の職人がセメントを流し込む仕事をしていました。その一人に何をしているのですか?と尋ねたところ“食い扶持を稼いでるんだよ”と答えました。二人目にも同じ質問をしたところ “見ての通りさ。セメントを流しているんだ” と答えました。三人目の職人は次のように答えました。 “これは老人施設の台所の壁を作っているんだ。美味しい料理を作ってお年寄りが喜ぶ顔が思い浮かぶね

あなたは、どの職人さんの答え(気の持ち方)が好きですか?
『気』の意味を広辞苑で調べると、(1)天地間をみたし、宇宙を構成する基本と考えられるもの。また、その動き。(2)生命の原動力となる勢い。(3)心の動き・状態・働きを包括的に表す語。と書いています。我々が、普段何気なく使う言葉にも『気』が沢山でてきます。
“病(やまい)があっても、病気になるな。”何のことか分からない言葉でしたが、身は病にあっても、生命の原動力となる勢いの『気』を病むなと言うことでしょうか?何となく理解できますか?先日、読売新聞で医療ルネッサンス“命をつなぐ絆―患者と医師が信頼を築くために” が特集され、そのパネルディスカッションの基調講演で、僧侶であり芥川作家でもある玄侑宗久さんは、

“医療で元気になれると思っている方が沢山いると思いますが、「元気」になるために医療は半分しか役割を果たせないと思います。お医者さんは悪くなった時に対処してくれますが、お医者さんに行かなくて済む方法までは教えてくれません。中略・・ 東洋医学は、病の原因に、外からはいる「外邪」と「気のよどみ」の2種類あると考えます。意識を動かすことで「気」は動き、血液も動くのですが、気の流れによどみが出来ると「病」になります。中略・・ よどみが邪気を生み、病になると医療の出番となりますが、内気を整えるのはあくまでも自分の仕事で、医療に期待するものではありません。病は、起こっては消えますが、気をよどませて病をため込まないよう、「気」をふさがないことが非常に大事だと思います。中略・・ お医者さんは「外邪」を退治してくれますが、自分の機嫌をコントロールし、内気を整えることが「健康の半分」という自覚を持てば、お医者さんとの接し方も変わってくると思います。お医者さんも「病気の専門家」というだけでなく、会っただけで元気になってしまうような「元気の専門家」になってくれれば嬉しいとおもいます。”と述べています。

仁成クリニックの平成18年度は、『気』が利くクリニックでありたいと考えています。
気が利くとは、(1)その場に応じた適切な判断が素早くできる。心が行き届く。(2)しゃれている。と言う意味です。この一年、皆様も是非『気』に留めて於いてください。
院 長  依藤 良一
あけましておめでとうございます。
お正月は、年明けとともに正に「トシをとってしまう」元旦生まれの私にとって、おめでたいのか何なのか・・・この歳になると複雑な心境です。
この歳っていったい何歳か・・・と思われるでしょが、同い年のスタッフAさん、Sさん、Tさんの歳までばれてしまうので、年齢は伏せておきます。
冗談はさておき、昨年は「信頼という言葉はどこにいったのかしら・・・」といいたくなる事件が目立ちました。

これから世の中はどうなっていくのかとぼやきたくなりますが、さまざまな事件を見聞きする中で自分自身も戒めなくては・・・とも思っています。

人の命や人生に関わる仕事をしている私たちにとって、「信頼関係」を築く事はとても重要であると思います。安心して医療を受けていただくための基本だからです。では、信頼関係はどのように築いていくのか・・・その方法は様々にあるでしょうが、先ずは誠実であること、正直であることを基本に、より良い療養環境を提供できるように今年も取り組んでいこうと思っています。

話が堅くなってしまいましたが、今年で仁成クリニックに就職して丸3年になり、業務整理もスタッフの変動も一段落しつつあります。このへんで気持ちを引き締めて新たに望もうと思います。
良いことも悪いことも色々あるけれど、とりあえず新しい年を迎えられた事は、やっぱりおめでたい幸せなことですね。新たな気持ちで明るい一年を過ごしたいものです。
今年もどうそよろしくお願い致します。
看護師長 松本 一美