掲載内容

仁成クリニック
各委員会活動報告(平成20年度上半期)
教えて!Dr.ビーン!!【第十一回】 運動量のボルグ指数
第ニ仁成クリニック
寄稿・・・・・「路傍に咲くリンドウの心」北川 彰一 様
寄稿・・・・・「川西徒然散策」安田 鈴子 様
Qぼっく 回答
阪急沿線旨い処/仁くり木目込み倶楽部/掲示板
バス旅行(瀬戸内日生)

理事長ごあいさつ

今回はまだ余韻が残るオリンピックの話をしない訳には行きません。皆さんがこの巻頭言をご覧になるときは、感動も少し薄れた良い頃合いと思います。
オリンピックは、アスリート個々の実力を競い合う競技とチーム競技に大きく分けられます。その中で私に感動を与えてくれたのは、2つのチーム競技でした。一つ目は、女子ソフトボール、もう一つは男子400mリレーです。いずれもメダルを獲得した競技ですが、ソフトボールでは上野投手が2日間で400球以上の球を投げ、強敵のアメリカチームに勝利しました。チーム内に強力なリーダーシップを発揮する選手がいて、その背中を見せてみんなを引っ張っていったという印象です。逆に400mリレーでは全員が100m10秒以上の同程度の実力ですが、バトンリレーの妙を発揮し、個々の実力不足をカバーしました。正確に確実に伝達するというコミュニケーションの勝利といえましょう。
2つの競技からクリニックの在り方を感じるのは悲しい性でしょうか。キーワードは、リーダーシップとコミュニケーションです。透析医療は、チーム医療の代表といわれていますが、この2つのキーワードをこれからも追求していかなければとオリンピックを見て改めて思いました。
元文化庁長官で臨床心理学者の故河合隼雄先生は、次のように語っています。“物事を決める時に日本人と西欧人では全く異なるプロセスを持っている。西欧人は、センターが全てを統合する「中心統合構造」、日本人は真ん中に原理もパワーも持っていない全体バランス型の「中空均衡構造」であり、これは一神教と多神教の違いに立脚している。”
パワフルなリーダーシップを発揮して問題を解決する「中心統合構造」とコミュニケーションを大切にし、バランスの取れた中庸の精神に基づく「中空均衡構造」は期せずして2つのキーワードを示しています。
また、河合先生は“二十一世紀というのは、一つのモデルやイデオロギーとかで統合的にいく時代は終わって、むしろ矛盾しているというのが生命体の特徴である。だから矛盾を抱えながらいかに生きるかが、二十一世紀の根本ではないか”と述べています。 これからのクリニックの運営に当たり再認識した夏でした。

理事長   依藤 良一

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