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理事長ごあいさつ

記録的な猛暑もようやく終わろうとしています。急激な気温の変化は、体調を崩す原因となりますから、これからは保温にも注意してください。今年の夏も嫌な出来事がありました。東京で超高齢者がミイラ化して自室で見つかった事件ですが、なんと年金を目的に死亡届を出さなかったと言う事です。その後も、続々と行方不明の超高齢者が報告されました。死亡届の出ていない最高齢は、生きていれば国定忠治と同級生というから驚きです。親が行方不明になったり、死亡しているのに届出をしないというのはどういうことでしょう。また、家庭内暴力や幼児虐待は今に始まったことではありません。一体、日本人の心はどうなってしまったのでしょうか?
一般的に人間が社会生活を営む時、隣人、知人、同僚、師弟、友人、兄弟、親子、夫婦など誰かとその関係性に濃淡はあるもののお互いに様々な関わりを持っています。特に強い関係は、“絆”と呼ばれます。“絆”の語源を調べると、犬や馬・牛などの動物を繋ぎとめておく綱のことを言い、その意味から家族や友人など人と人を離れ難くしている結びつきを言うようになりました。 比叡山の僧で、千日回峯行を二回も行った大阿闍梨の酒井雄哉師は、こんな話をしています。「牛の鼻に輪がついていて、そこに紐が結び付けてあるでしょ。あの紐の事を“絆”っていったらしい。その紐を人間が引っ張ってリードしてた。大事なのはその紐を持ってリードする人間なんだ。いい道へ導いてあげる人がいて、その人に導いてもらう。それが、もともとは“絆”なんだよ。(中略)本来の人間の絆というのは、自分をいい方向に導いてくれる人がいて、導いてもらう。それで、その人に感謝するから“絆”が生まれていく。」最近はいい方向にリードしてくれる人が少くなったといっていますが、同感です。
しかし、酒井師が述べている“絆”は、クリニックが患者さんと育む関係そのものといえます。スタッフから患者さんへ、患者さんからクリニックへ相互にいい方向にリードし、リードされる関係をこれからも築いて行きたいと思います。

理事長   依藤 良一

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