掲載内容


理事長ごあいさつ

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夏の計画停電は大きな混乱もなく終了しました。一部、開始時間を変更してご迷惑をおかけ致しました。皆様には、ご協力頂きまして有難うございました。
さて、ロンドンオリンピックが閉幕して、現在パラリンピックが行われています。しかし、いつも不満に思うのは、パラリンピックに対する報道の少なさです。どのチャンネルを探しても中継が殆どありません。メダルを獲得すれば、ニュースで申し訳程度に映像が流れるくらいです。私の意見ですが、開会式を同時にやったらどうでしょう。そして、パラリンピックを先に開催すればどちらの大会ももっと盛り上がると思っています。パラリンピックのアスリートは、オリンピックとは違った勇気と感動を与えてくれるからです。
話はオリンピックに戻りますが、今回も沢山の感動を与えてもらいました。
どのアスリートにも、オリンピック出場に至るプロセスがあり、ドラマがあります。そして、試合において更に美しいドラマを生み我々に感動を与えます。
今回、私はボクシングの村田選手のストーリーに深く感動しました。大会前の彼はメダル候補ではありませんでした。それが48年ぶり(東京オリンピック)の金メダルを取ってしまいました。すごいです。でも、私の琴線に触れたのは、26歳の彼がインタビューのたびに高校時代に指導してくれた故人(先生)に深く感謝している姿でした。高校時代の彼は、かなりヤンチャをしていたようですが、その先生がボクシング競技に導き、いまの彼の礎を築きました。その後8年間の村田選手の努力が金メダルをもたらしたのですが、まさに恩師に巡りあったということです。人生において、恩人と呼べる人にめぐり合うのはそう多い事ではありません。
皆さんは恩人と言える人が何人ぐらいいますか?“恩”を辞書で引くと、めぐみ、いつくしみと出てきます。“親切”に比べて、より深く愛情を感じる言葉ですが、私には人生を左右する大きなめぐみを“恩”と考えます。先日、40数年ぶりの高校の同窓会に出席しました。中小企業の社長をやっている友人が挨拶の中で、“恩送り”の話をしていました。“恩送り”とは、Wikipediaによると誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送る。そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。そうして恩が世の中をぐるぐる回っていく事と書いています。これは、江戸時代から普通にあったことだそうですが、日本だけに限らず英語圏でも“Pay it forward”という表現で存在しています。

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村田選手も指導者になりたいと言っていましたが、まさに“恩送り”をしようとしています。私も、恩をきせることなく恩送りをしたいと思った夏でした。

理事長   依藤 良一

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