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理事長ごあいさつ

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世界に類を見ない日本の高齢化は、団塊の世代の終わりが後期高齢者となる2025年まで急速に進行します。これに備えて消費税増税や社会保障制度の見直し、高齢者からの負担金増額など様々な施策がとられています。
透析患者さんも30年前には患者数は6万人弱、現在の5分の1でした。その頃の透析導入年齢は53.2歳、年度末患者平均年齢が49.2歳でしたが、2012年度末では68.4歳、66.9歳といずれも15歳以上の高齢化が進んでいます。当院でも平均年齢は仁川で65歳、川西で67.8歳とやはり高い値です。
とある著名な作家が人間の賞味期限は60年、有効期限は100年のボタンを押されて生まれてくると述べています。面白い表現ではありますが、有効期限はさておき賞味期限を60歳と区切られると、人間は還暦を過ぎてから人としての味が出てくるんだよ!とひとこと言いたくなってしまいます。あくまで会社勤めの一般的なサラリーマンを対象とした表現でしょうが、定年退職60歳で直ぐに年金生活が出来る時代ならともかく、65歳定年制が叫ばれ年金支給開始年齢が引き上げられている現代では賞味期限は、どんどん引き伸ばされているように思います。

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私なりに人間の賞味期限を定義するならば、仕事を通して社会に貢献できる期間ということになるかと思います。賞味期限が過ぎて有効期限を迎える間、人はどのように生きるか?その作家の書いた本から私なりに理解していることは、有効期限を迎えるまでの間、今度は自分の為に充実した人生を送りなさいと言っているように思います。趣は違いますが、プロ野球選手は一昔前では、ほぼ30歳代後半で引退する選手が殆どでした。作家の表現を借りれば賞味期限は40歳ということになります。しかし、中日ドラゴンズの山本投手はなんと48歳で一軍で活躍しています。私は、根っからの阪神タイガースファンですが、彼の今年度の活躍を阪神戦以外で願っています。更にはスキージャンプの銀メダリスト葛西紀明選手も41歳と世界一流のアスリートとしてはありえない年齢でワールドカップに優勝し、レジェンドと呼ばれています。サッカーの三浦カズも然りです。類まれな身体と日々の努力が彼らをそうさせているのでしょう。人間の賞味期限は、自分の意識と努力でどんどん伸びていけることを彼らは証明しています。翻って医者の賞味期限はどうでしょうか?私の感覚では、そろそろ賞味期限が近づいていると感じていますが、家内はもっと働けと叱咤します。これも一つの社会的要求かと思います。三人のアスリートを見習って賞味期限を伸ばす努力をしていかなければと考えています。

理事長   依藤 良一

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