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患者様からの寄稿

『楽しく生きる』

第二仁成クリニック 宗 武徳 様(月・水・金)

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私は平成22年2月28日より透析を始め、一年になろうとしています。私が病気と付き合うようになったのは、七年前の車の運転中の眼底出血が始まりでした。診察の結果、糖尿病で今すぐ手術出来ないと云われ大変なショックを受けました。当時ヘモグロビンA1Cが11.5あり、この数値を6ぐらいまでに下げるように云われ、食事療法と運動指導を受けました。
そして8ヵ月後に手術を受け、以前より良く見えるようになり、医学の進歩に感謝です。更に人生観を変える事が起こりました。それは心筋梗塞になり、カテーテル手術の途中、曲がらなく、うまく通らないということで、主治医の先生を探しに行く為に手術を中断することになりました。
後で考えると、恐ろしい事ですが最初に感じたのは、手術室の寒さでした。毛布を掛けてもらいホッとしたのも、つかの間で、このまま死ぬのかなぁ・・・。
もう少し生きていたいなぁ・・・。などと悶々としていました。
結果的には主治医が見つかり手術は終わりました。
悪いことは続くもので、ICUでのことですが午前0時頃、脇の下で冷たいものを感じ、水枕でもあててくれたのかと思ったのですが、よく見ると・・・パジャマ、ベッド、床が血の海になっていました。
点滴が漏れたようです。ナースコールを押し、テキパキと処理をしてもらいましたが、その後、何の連絡もなく昼前に担当医より輸血の了承の為、妻を呼んでくれという事で、点滴漏れの件が伝わっていないことを知り、小説みたいな事もあるんだなと、怖くなりました。
こういった生死の境を経験したことにより、生きていることに感謝しながらも、人の生き死には人知ではかりしれない天命、運といった自然の大きな力を感じ、生死、病気などを含め、全てをありのまま受け入れようと覚悟みたいなものが出来ました。
すると今まで気にしたこともない【普通である事】の有難さが、わかるようになり、病気を持っていても、いや病人だからこそ、わかる楽しめる事があると確信みたいなものができ、私の楽しさ探しが始まりました。
食事では噛むことで、ご飯だけでも美味しく、また味気ない薄味の料理も、素材そのものの味がわかるようになりました。
ウォーキングでは透析のない日はだいたい一万歩あるき、むくみが改善され、350キロカロリーぐらい消費し、間食に何が食べられるか、など考えながら楽しんでいます。
透析の日は、歩いて、小一時間程かけて通院していますが血糖値が50ぐらい下がり、数値を聞くのを楽しみにしています。このように何でも楽しもうと決めてから、趣味のゴルフ、囲碁、読書、年に4,5回の飲み会、カラオケなども一層楽しくなり、今では患者の皆様、先生、看護師、スタッフの方々にも親切にして頂き、コミュニケーションも楽しく通院も苦にならなくなってきました。
物事には全てプラスの面とマイナスの面があり、プラスの方だけ見ていこうと思っていますが、時々テレビに向かって文句を言ったり、物忘れ(特に名前)、トンチンカンな行動など、自分の馬鹿さ加減に呆れる事もあります。
そんな時に思い出したのは、マンガやギャグで【天才バカボン】の『それでいいのだ』という言葉で、自分のマイナス、プラス全てを受け入れ楽しさ探しを続けていきたいと思っています。
明日は、どんな楽しみが待っているのか・・・♪

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