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血液透析と血液透析濾過について

今回は、体内の毒素を取り除く血液浄化療法についてお話します。血液浄化療法は大きく分け5種類あるのを御存知ですか?

当院ではこのうち、血液透析と、血液濾過透析を行っています。この2種類についてお話しさせていただきたいと思います。

血液透析(HD)

析患者さんの大半が行っている治療法で、一般的に透析と言われています。透析とは、血液と透析液の間にある半透膜(透析膜)を介して、その濃度差で物質の移動がおこり、尿毒素が血液から透析液に移動して血液をきれいにする治療法です。ただ、その場合には半透膜の孔を通りやすい、小さな物質しか除去できません。日本で透析が始まった1965年頃は、小さな物質だけを抜くだけでも効果があったのですが、長い間の治療成績から、もっと大きな物質を抜かないとずっと元気でいられないことが分かってきました。その大きな物質の代表は透析アミロイド症(※1)の原因であるβ2ミクログロブリンです。しかし現在の市場の90%以上を占める高性能透析膜は、β2ミクログロブリンレベルの分子量までは、拡散で除去効率が増加することが分かっており、個々の治療法に適したものが選択されています。

【※1】 透析アミロイド症とは、体内にβ2ミクログロブリンが溜まることでアミロイドができ、関節炎やマヒを引きおこすこと。

血液透析濾過(HDF)

大きな物質を抜く方法で最も簡単なのは、孔を大きくすることですが、重要なタンパクまで抜いてしまいます。血液透析濾過は血液と透析液の間で水分を大量に移動させることで、水分と一緒に移動する性質の大きな物質を移動させて除去する方法です。
血液がダイアライザーに入る前に、補液を大量に入れてその分の水分を除去する前希釈という方法と、後に補液を入れる後希釈という方法があります。
除水量に加え補液を行うことで除水量を増加させ毒素の除去量を増やします。具体的には、2㎏増えた方の場合、2㎏の水分を抜かなければならないので、補液量を8Lとすると、2L+8L=合計10Lの水分を取り去ることになり、それに伴い大きな物質を除去できることになります。
左ページグラフのとおり血液透析濾過(HDF)が最も腎臓に近い除去率を示しています。

血液透析濾過の効果

  1. 血液透析で取りきれない老廃物の除去
  2. 血圧の安定効果
  3. 貧血の改善
  4. 食欲の改善

等が報告されています。

効性のある治療法ではありませんが、長期的な効果が期待される治療法です。

これまでの血液透析・血液濾過透析の話を聞くと血液濾過透析を行いたくなる方もおられると思いますが、やはり良いことだけではなく必要な成分が除去されるなどデメリットも存在します。治療法については両院長が熟慮し、皆様方に安全・安定・安心してジンクリ湯に浸かっていだけるように行っていますのでご安心下さい。血液透析・血液濾過透析に対してご質問などがございましたら、お気軽にスタッフにお声かけ下さい。

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