大貫 修透
昨年の十一月の初旬に、透析導入後初めて海外旅行に行く機会がありました。友人がニューヨークで企業の駐在員をしており、彼らの熱心な誘いもあり思いきって行くことにしました。今まで他府県での臨時透析は何回か経験したことはありましたが、海外での透析は未経験であり、不安で一杯でした。
海外で透析をするにはいくつかの手順を踏まなくてはなりません。先ずは病院探しからですが、これは当初から院長先生が気軽に相談に乗ってくださり、自分に適切だと思われる病院をいくつかピックアップしてくださいました。次に病院の予約ですが、初めは自宅からメールで問い合わせをしてみたのですが、なかなか返事が来ず、結局は事務の中島さんに深夜、国際電話で再確認をとっていただきやっと予約までこぎつけました。
3回の透析をした医療機関は『ベス・イスラエル透析センター』というところでしたが、まず驚いたのが、外国籍の医療関係者が多いということです。まず主治医がインド人の女医さんで、技士がロシア人の男性、2日目の技士がフィリピン出身の男性とパキスタン人、三日目が上海出身の女性といかにもニューヨークらしいと思いました。友人の話によるとニューヨークでは外国籍の医療従事者が多いとのことです。
もう一つ驚いたのが透析自体が患者自身の意思が大きく反映されている事です。(これが必ずしも良いとは限りませんが)技士の方が「4時間もするのか?」と聞いてくるので理由を尋ねると、「ここでは透析時間を患者が自由にきめていて、2時間で終わりたければ終わることができる。ここでは4時間もする患者はいない。」とのことでした。結局、私はカルテの通りにしてもらうことにした。
透析室に入るとまず、ベッドの配置が仁成クリニックとは違います。大きな部屋の真中にスタッフの事務室があり、その事務室を放射線状に囲むようにベッドが配置されていて、患者は私服のまま靴を脱がず、床屋の椅子に紙のシーツを敷いただけのベッドで横たわります。「君は、日本でパジャマを着ているなら着てもいいよ。」と言ってもらいましたが、逆にパジャマは目立つので着てきた服のままで透析をしました。
初めての土地での透析でしたので恐さも多少ありましたが、無事に終えることが出来た理由の一つには、日本人の通訳をお願いした事です。この方のおかげで、気分的にとても楽に4時間を過ごすことができ技士の方にもこちらの意思が十分に伝わりました。海外で透析される方でコミュニケーションに不安のある方は費用はだいぶかかりますが通訳をお願いしたほうがよいと思います。
最後に参考までに今回の3回の透析に要した費用を付記します。