医療事故防止対策委員会は、B型肝炎、C型肝炎の院内発生や透析中に起こる医療事故を防止し、安全かつ適切な医療の提供体制を確立することを目的として設立された委員会です。医療事故を防止するためには、職員1人1人が事故防止の必要性・重要性を、病院及び自分自身の課題として認識して事故防止に努めるとともに、事故再発を防止する体制の確立を図ることが重要であると考え
ています。
そのため、事故発生時に適切な対応が出来るよう報告経路を定め、医師からの指示を仰ぐことにより二次的事故の発生を防止することを目的としたシステムを作っています。これらの対応を終えた後、事故当事者もしくは発見者が*インシデント・アクシデントレポートを記入し、スーパーバイザーを通し院長に提出し、・どうしてこのような事故が発生するのか、どうすれば事故を未然に防ぐことが出来るのか・
等の改善策を定期的なカンファレンスにて検討し、日々の事故防止対策の強化充実を目指しています。
*当院でのインシデント・アクシデントの定義
インシデントとは、重大な事故には至らなく、未然に防げたようなことを指す。例えば、透析後の注射指示をわすれたとか造血剤の量やヘパリンの中止を忘れた等。アクシデントとは、ミスを犯したことにより医師の治療が必要になった場合をいう。
次に平成十一年十月から平成十五年八月にかけて提出されたインシデント・アクシデント件数を表1に示します。
・ 表1は、年度毎の月別件数です。
・ 平成十四年の総報告件数が非常に多くなっていますが、当院の医療改革により九月からインシデントレポートの報告形式の変更を行なったことで今まで報告されなかった些細なミス、あるいは、ミスには至らなかったがハッとした出来事を何でも報告したため、四一〇件という目を疑うような数字となりました。しかし、幸い現在までアクシデントに至った報告はありません。報告基準等が各年度で異なる為、単純に数字のみを比較することは出来ませんが、職員の意識改革により平成十五年度の報告は減少傾向にあります。・人間は誰でも間違えるものである・
それは医療従事者とて同じ事です。しかしながら我々は生命に関わる業務を行なっています。安全に治療を行なうためには、たとえミスが発生したとしても、それをいち早く発見し対応する。そして同じミスを繰り返さない、繰り返させない環境を作り上げていく事がわれわれの重要な課題です。今後も安全なシステムを構築し、安心して透析を受けていただけるよう頑張って行きますので宜しくお願いいたします。
次号には、各々の事故内容をご報告させて頂きます。
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