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家族がふえました!阪急沿線旨い処伝言板/編集後記
仁成クリニック定期勉強会
【特別講演】

いはらクリニック 院長 井原英有 先生 最近話題になっている万波医師らによる病気腎移植問題や海外での臓器売買など何かと話題の多い腎移植について、正しく理解していただく目的で移植医である井原先生をお招きし、『腎移植の現況と希望時の具体的な手続きの方法』と題して移植手術の入院から退院に至までの流れや手術の具体的方法、また移植後の管理や急性・慢性の拒絶反応、移植後の感染症や合併症、注意点などをわかりやすく解説していただきました。


図1に移植手術の流れが示されています。何も問題がなければ1ヶ月ほどで退院となりますが、ここで問題になってくるのが拒絶反応です。他人の腎臓を移植する訳ですから異物として身体が認識して攻撃が始まります。これを抑える為にステロイドホルモンや免疫抑制剤といった薬が使用されます。

図2に拒絶反応を示していますが、移植直後から3ヶ月以内とそれ以降に拒絶反応が起こる場合があります。拒絶反応以外に肺炎ウイルスや麻疹ウイルスなど各種のウイルス感染や、結核、真菌(カビ)などの感染症にかかり易くなり、骨髄抑制による白血球減少症、肝障害、糖尿病、高脂血症、高血圧症、消化管潰瘍、大腿骨頭壊死などの合併症が知られています、また、悪性腫瘍(癌)の合併が高率に認められており、これらの病気の予防の為定期的に受診して管理をしてもらう事と内服薬は継続的に服用する必要があります。

移植を受けたからといって自由な生活ができる訳ではなく、ある意味、透析を受けている頃より不自由な生活になる可能性もあります。現在、腎移植件数は2005年度で900例を越えていますが、これは移植法案が成立して夫婦間移植と血液型不適合例が可能になった結果と考えられます。

では、移植後どれくらい機能するのかについては、3年で見ると生体腎移植が92%、死体腎移植が80%とかなり成績が上がっています。色々な新薬が開発されて短期の生着率はよくなっていますが、10年20年の期間大丈夫かと言うとそういうわけでもありません。腎臓は2個で100%の働きがあるから、移植された1個の腎臓だと50%になると思いがちですが、そうはならないで代償性肥大をして元の70%〜80%の働きに戻ります。(腎臓の働きが30%になると血液検査で尿素窒素やクレアチニンが上昇し始め、10%以下で血液透析が必要となります。)移植後、透析はしないけど腎機能が低下している例も移植成功例に含まれています。


最後に海外での移植が話題になっていますが移植を受けるならアメリカやオーストラリア、フィリピンなどはほぼ安心して移植医療を受けられるが中国での移植は受けないほうがいいとお話で締めくくられました。

今回の勉強会に参加していただいた患者およびご家族の方には、テレビをはじめ各マスコミ報道には偏りがあると言う、現実の移植事情についてご理解していただけたと思います。

図1 手術の準備から退院まで
図1 手術の準備から退院まで
図2 急性拒絶反応と慢性拒絶反応
  時期 症    状 治療効果
急性
拒絶反応
移植後
3ヶ月以内に起こる
急な腎機能の低下(血清クレアチニン上昇)
発熱、尿量減少、体重増加、
血圧上昇、腎臓の腫れがみられることもある
免疫抑制薬が
効きやすい
慢性
拒絶反応
移植後
3ヶ月以降に起こる
徐々に腎機能が低下(血清クレアチニン上昇)
蛋白尿、貧血、血圧上昇、むくみ
免疫抑制薬が
効きにくい
以上、特別講演の内容を副院長が要約いたしました。
ご質問等ございましたら院長・副院長がお答えいたしますのでお気軽にお声をおかけ下さい。
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