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オーラルフレイル

「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態になる手前の段階のことです。支援は必要としないけれど、筋力、認知機能などが以前より衰えて、心身の活力が低下した状態をいいます。
理事長の身体的なフレイルのお話に続いて、オーラルフレイルについてご紹介します。

オーラルフレイルとは、加齢による衰えのひとつで食べ物を嚙んだり、飲み込んだり、滑舌が悪くなるなど‘口’に関連する機能が低下しつつある状態です。
歯科領域では、こういった口腔内機能の低下が心身の機能低下の第一歩となるおそれがあることで注目されています。
安定した透析生活を維持するためにも、オーラルフレイルの予防が大切です。

予防のためのセルフケア

次のようなことを意識して日ごろから口や歯をケアしましょう。

【口の中を清潔に保つ】

口腔内の清潔が保たれないと、虫歯や歯周病のリスクが発生し、進行すると大切な歯を失うことになります。虫歯や歯周病を予防するには、歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、マウスウォッシュ、液体ハミガキなどを使用して適切な口腔ケアをしてください。
また、かかりつけの歯科で、歯石除去などの定期的な清掃と検診を受けるようにしましょう。
では、口腔機能を維持するためのトレーニング方法をご紹介します。

【口や舌の動きをスムーズにするトレーニング】

唇や頬、舌の筋力をアップすると口腔機能が高まります。また唾液がよく出るようになり、食べ物をのみ込みやすくなります。

・口の体操

①「う」の口で唇をすぼめる。
②「い」の口で唇を横に開く。

・舌の体操

①舌を左の頬の内側に強く押しつける。
②指で、押し出された舌の先を、頬の上から押さえる。
③指に抵抗するように、ゆっくり10回舌を押し返す。
④右の頬も同じこと繰り返す。

・パタカラ体操

それぞれ舌や口を上手に操らないときれいに発音できない音です。次のことを意識して発音してください。
①「パパパパパパパパ」…唇をはじくように♪
②「タタタタタタタタ」…舌先を上の前歯の裏につけるように♪
③「カカカカカカカカ」…舌の奥を上顎(あご)の奥につけるように♪
④「ララララララララ」…舌をまるめるように♪ ※①~④を2セット行う

【のみ込むパワー 嚥下機能をつけるトレーニング】

のみ込むための筋肉を鍛えることで、食事中の「むせこみ」などの症状が改善されます。

・開口訓練

①ゆっくり大きく口を開け10秒間キープする。
②しっかり口を閉じ、奥歯を噛みしめて舌を上あごに押し当て10秒間キープする。
③①②を3回繰り返す。

・ベロ出しごっくん体操

①舌先を少し出したまま、口を閉じてつばをのみ込みます。

【噛むパワー(咀嚼機能)をつけるトレーニング】

噛むパワーをつけることで、「食べこぼし」や食べ物が鼻に流れ込むのを防ぎ、おいしく安全に食べられるようになります。また、唾液が良く出るようになります。

・咀嚼訓練

ガムを噛むことで噛む力を鍛える。2分間はリズムを決めて、3分間は自由に、計5分間噛みます。1日2回(朝と夜)行うとよい。
①姿勢を正し、唇を閉じてしっかりと噛む。
②ガムは1カ所ではなく、左右両側で均等に噛む。

【滑舌をよくするトレーニング】

舌や唇などの筋肉を鍛えて口を動きやすくします。滑舌をよくすることで、表情が豊かになりコミュニケーションがとりやすくなります。

・早口言葉

口を大きく動かして、3回続けて声に出して読む。

レベル1 なまむぎ なまごめ なまたまご(生麦 生米 生卵)
レベル2 隣の客はよく柿食う客だ
レベル3 カエルぴょこぴょこ 三ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ 六ぴょこぴょこ
レベル4 瓜売りが瓜売りにきて 瓜売り残し 瓜売り帰る 瓜売りの声

【舌のパワーをつけるトレーニング】

舌の筋力向上に役立ち、「誤嚥」や「むせ」などの症状改善、予防になります。

・舌トレーニング

①舌をおもいきり出す。舌で下顎の先を触るつもりで伸ばす。
②舌先で鼻を触るつもりで上へ伸ばす。
③舌を左右に伸ばす。
④舌先で口の周りをぐるりと一周する。

参考:日本歯科医師会HP「オーラルフレイル対策のための口腔体操」

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