|
《便秘》・・・・・竹中暁子
(たけなか あきこ)
今回は、多くの患者さんに身近な問題である、便秘に注目してみました。透析患者さんの便秘の原因として、
食物繊維の不足
糖尿病の神経障害による大腸の運動障害、便意の低下
除水による腸の虚血状態
種々の内服薬の副作用
運動不足
などが考えられます。
|
透析患者さんにとって排便をうまくコントロールすることはとても大事なことです。便秘になるとその分カリウムが溜まって血液中のカリウム値が高くなってしまいます。また、便が溜まった状態で透析をすると、便の重さ分の荷物を持って体重を量ったのと同じで、その荷物分も除水をすると当然引きすぎとなり、血圧が下がったり気分不良の原因となります。
次に、便秘の対策について話します。
食事による食物繊維ではカリウム上昇の原因になりますから、ファイブミニや繊維のお薬を使用してください。便秘薬に比べて最も安全で合理的な対策です。
腸管の運動低下に対して、色々な刺激性下剤が出ていますが、ラキソベロン以外は長期に続けると効き難くなります。
運動不足に対しては、散歩や体操、おなかのマッサージや腹筋運動があります。
|
■おなかのマッサージ方法
寝る前や起き掛けに行います。まず、腰の下にクッションや枕を当てて仰向けに寝て、リラックスします。さらに手のひらでおなかの周りを時計回りにさすり、大腸の波を引き起こさせます。時間は4〜5分程度でOKです。
|
■ 腰を痛めない腹筋運動
仰向けに寝て足を開き、膝を立てます。おなかに手を当てながらゆっくり上半身を起こしおへその辺りに力が入ったのを感じたらそのまま10秒間自然に呼吸します。これを10回繰り返します。 |