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秋特集
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多くの感動を与えられて 紫垣 豊 様(月・水・金)
 透析治療を受け始めて足掛け10年。当初絶望のどん底に落とされた気持ちでしたが、「本をたっぷり読める時間を与えられた」と前向きに考えて気持ちが楽になったものです。月に2〜3冊読めますので、もう300冊位は読んだと思います。

 好きな作家は?とよく聞かれますが、ご多分に洩れず、昔は夏目漱石、谷崎潤一郎。社会人になって司馬遼太郎。通勤電車の中で『竜馬がゆく』をワクワクして読んだものです。日々忙しくて読書から遠ざかった時期がその後ずーっとありました。
 津本陽の『下天は夢か』が出たあたりで、読書の楽しみが復活しました。色んな作家が「信長もの」を書いていますが、どれを何度読んでも胸が躍ります。そして突然向田邦子にはまりました。彼女の書いたものは全部読みました。

 それから透析生活に入って團伊久磨、伊集院静、山田太一、田辺聖子、佐江衆一、泡坂妻夫、松本清張、浅田次郎、宮城谷昌光、夢枕獏(安部晴明シリーズ)、池波正太郎(剣客商売シリーズ)、山崎豊子(特に『沈まぬ太陽』)、藤田宣永、諸田玲子等々。一作家にはまると、しばらくはその作家の物ばかり読みます。『ダ・ヴィンチ・コード』などの話題の書も読みますが・・・。

 今、宮本輝にはまっています。新聞小説『にぎやかな天地たち』の舞台が甲陽園でした。発酵物質の研究をする青年の物語でしたが、甲山とか「はり半」が出てきて面白かったのがきっかけです。はり半も取り壊されてマンション用地に替わるとか。近頃、昔から在るものが次々と無くなっていき寂しい限りです。
 芥川賞をとった『蛍川』から始まって『泥の河』『流転の海』『地の星』と読みすすんでいるところです。私と同い年の宮本輝がそのような小説を書ける事が驚きです。とても書けない。
 読書は深い感動を与えてくれます。色んな人生の有り様を教えてくれます。活字ばなれが叫ばれる昨今、秋の夜長を読書にいそしまれては如何?
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